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3.リモートワークを実現するために情報セキュリティルールを緩和した
各社とも貸与PCの自宅での業務利用には厳しい情報セキュリティルールを設けていたが、「全社員が原則リモートワーク」という環境を実現するために、これら情報セキュリティルールの緩和が実施された。
緩和された情報セキュリティルールは次のようなものであった。
-自宅の個人所有PCを業務利用することを許可した。また、個人所有PCにデータをダウンロードすることを許可した。
-家庭内Wi-Fiを経由して会社ネットワークへ接続することを許可した。
-IPフィルタリング*を一時的に解除し、リモートワークで使える様々なサービスを利用可能とした。
*IPフィルタリング:IP filtering
IPアドレスを指定することによって特定サイトとの通信を遮断すること
これらの施策は、証明書がインストールされた個人所有PCだけを接続可とするなど、セキュリティを担保したうえで実施されたが、これらの措置を一時的なものとするか、恒久的な措置とするかは継続して検討する必要がある。
4.リモートワークに対応するために業務フローの見直しが行われた
原則リモートワークとなったことにより、各業務をリモートワークで対応できるように業務フローや承認プロセスの変更が行われた。
変更された業務プロセスは次のようなものであった。
-電子承認システムを導入し、紙帳票に検印していた承認をオンライン承認に変更した。
-検印の代わりに、承認者をメールのccに入れることにより承認の代替とした。
-紙をPDF化し、押印を省略した上でメール送信することでOKとした。
また、労務管理制度を見直し、自宅で業務をすることを認める(在宅勤務制度)、学校や保育所などの休業に伴う特別休暇の付与など、制度的サポートも実施された。