第54回 懸賞論文 受賞者 柚木 夏希氏

第54回懸賞論文 一般部門

第3テーマ:会社組織や会社内の課題

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柚木 夏希

朝日広告社

IMCプロデュース本部 デジタルプロデュース局
デジタルアカウント部 プランナー

『ダイレクト広告が誰にとっても“好きな広告”になるために ~働く人の私的倫理を守り育てる~』

プロフィール

2017年朝日広告社入社。初任でWEB広告の運用・プランニングを担うデジタルメディア部門を経て、現在はデジタルアカウント部門に配属となり、デジタルマーケティング全体の戦略設計・実行等を担う。化粧品や食品、マスメディアをはじめとした様々な業界で、ブランディング領域からダイレクトマーケティング領域まで幅広い業務に従事。

受賞コメント

書き終えた瞬間、広告人生8年分の積年の思いを赤裸々に綴ってしまったが故に、なるべく誰にも見られずお蔵入りにしたいと思っていました。しかし、こうして広く読んでいただける機会を得た今、もしかすると同じ思いを抱えるマーケターが少なからずいるのではないか、共感してくださる方がいるのではないかと思うと何より嬉しく、救いとなりました。執筆にあたり、ご指導賜りました皆様、調査へご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

審査員からのコメント

本論文の特筆すべき点は、ネット広告が高度化する現代においてある意味で永遠のテーマとなりつつある、広告業界で働く人々の「私的倫理」と「公的倫理」のジレンマに正面からフォーカスし、ダイレクト広告が抱える倫理的課題を具体的に明らかにしたことです。「気持ちの持ちよう」に逃げずに、実践面の提案も行っており、リクルーティングへなども含めて業界全体への波及効果も期待される論文と感じました。

博報堂 伊藤耕太

職業倫理の葛藤をテーマに、不快な広告が発生する原因を指摘する。筆者は、不快な広告を生まないこと、未来を悪化させないこと、広告人の誇りを守るために、私的倫理を業界全体で重視すべきと訴える。私的倫理とは何か?それは広告人の良心である。広告の主力となったインターネット空間で展開されるダイレクト広告で、これが脅かされているという。目を瞑ってはいけない。

読売エージェンシー 笠本和行

結果が見えるダイレクトマーケティングは、広告主に対してオープンで正直でいられるという筆者の姿勢に共感しました。また、広告人にとって重要であるはずの生活者視点に影を落とすような「私的倫理観の軽視」という問題提起にもハッとさせられました。ブランディングからダイレクトマーケティングまで一気通貫した新しいマーケティングの方法論が期待される時代にあって、非常に有益な提言だったと思います。

大広 吉野究

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