第54回 懸賞論文 受賞者 菊池 奈穂子氏

第54回懸賞論文 一般部門

第3テーマ:会社組織や会社内の課題

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菊池 奈穂子

電通

第5CRプランニング局 コピーライター

『広告業界における、女性活躍と持続可能な労働環境の両立』

プロフィール

慶應義塾大学大学院 社会科学専攻修了後、(株)電通入社。マーケティング部門に配属されたのち2年目よりクリエーティブ局にてコピーライター/CMプランナーとしてマス広告の企画制作に携わる。子供2人の育休後は、広告制作と並行し、より良い働き方を考えるワーキンググループに参加し社内横断メンバーとともに活動中。また部署内のDEI推進担当として従事、現在も勉強中。

受賞コメント

選出いただき大変光栄に存じます。広告業界においては、働き方改革や女性活躍が進みジェンダー格差が急速に解消されていく一方、その活躍の裏にある負担や犠牲はやむを得ない事、時には美談然として語られる現実もあります。長期的な視点で業界を見た時にこれでよいのか、今の自分にできることはないかと考え今回の応募に至りました。自分が向き合い続けてきた働き方というテーマについて改めて深掘りする貴重な機会となりました。

審査員からのコメント

仕事と家庭の両立、というがそれは嘘。仕事に集中できる時間をなるべく作り、家事子育てを外注しているだけ。これはとても鋭い指摘だと思いました。そのうえで作者がチャレンジしている持続可能な業務姿勢=個人で担っていた責任と手柄をチームで担う、という考え方は、もはや女性に限ったことでなく、男性も含めた広告業界全体に対してのパラダイムシフトを巻き起こす。鮮やかな提案でした。

ジェイアール東日本企画 鈴木良平

現在の“女性活躍”に持続可能性はない、と自らの体験と実践を踏まえて鋭く熱く提言。この課題のソリューションとして、「バイネームでの手柄からの脱却」というユニークな(予想外の)提案を導き出した。そして、それは広告会社だけに留まらず、「そう思わないで済む文化を作ること」と、パラダイム転換を促すスケールの大きさに思わず引き込まれた。

読売広告社 中村信介

「女性の活躍と持続可能な労働環境の両立」というテーマから、当たり前と思っている人が多い広告業界の働き方の、見直しに迫る良論である。
「自分の中にある手柄への意識が、最大の敵である」という気づきと、そこを乗り越えるための具体的な改革への取り組みを語るリアリティーのある示唆は、全ての広告人が一度立ち止まって、考えてみて欲しい提言であった。

東急エージェンシー 小方靖

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