第54回 懸賞論文 受賞者 福永 琢磨氏

2024-2025
JAAA AWARDS
第11回 若手大賞 クリエイター・オブ・ザ・イヤー2024 第54回懸賞論文

第54回懸賞論文 一般部門

第1テーマ:広告・広告ビジネスと社会

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福永 琢磨

電通

BXクリエイティブ・センター
エクスペリエンス・デザイン部
ライター コピーライター
電通Team SDGs SDGsコンサルタント

『日本に、本当に効くパーパスを根付かせる 〜言語と思考と文化のちがいを超えて〜』

プロフィール

1994年、(株)電通入社。以来、一貫してクリエイティブ局に在局。企業の社会的存在意義が重要視される中、クリエイティブの力をよりソーシャルに活かすべく、2020年より現局に移籍。思考の深掘りを可能にする独自開発のルーツ・シンキングメソッドを用いたワークショップで、本質的な意義の発見=コアコンセプト・ファインディングを軸に、企業のパーパスやMVV策定、企業カルチャーの醸成・浸透策などを提供。教育分野でも経験豊富。

受賞コメント

栄誉ある賞をいただき、ありがとうございます。日頃、企業の皆様や学生たちとのワークセッションを通じ、組織や個人のパーパスについて考えを深めるお手伝いをしています。そんな中、日本で本格的にパーパスが機能し始める前に、欧米ではパーパスへの飽きが生じているかのような情勢を感じ、このテーマについて深めることにしました。パーパスが実践フェーズに移っていく中で、何がボトルネックなのかを突き詰める良い機会となりました。

審査員からのコメント

文中にある「パーパス策定の現場で「その言葉で人の気持ちを動かせるか?」という指標は果たして重要視されてきただろうか。」という言葉にハッとさせられる人は多いだろう。広告人にとって、日本の企業パーパス策定現場に欠けていたもの、従業員にとってWell-Beingなパーパスが何かを気づくヒントがここにある。昨年の論文の部銅賞作品や一昨年の金賞作品からの系譜にも連なる論文なので、合わせて読んでいただきたい。

クオラス 中原敬介

パーパスに言及する作品が多い中、改めて「機能するパーパス」というテーマが挙げて、日本ならではのパーパスに切り込んだ意欲作として評価が集まった。
「パーパスは勇気の発端である」という喝破し、策定に関わる広告人の矜持とは何かに踏み込んだ結論は、ぜひ多くの広告人に目を通していただきたいと考える。

東急エージェンシー 小方靖

”人々の気持ちを動かすに至らないパーパスは、パーパスたりえない”(文中引用)。このストレートで力強い主張は、全作品を通して最も心に残った一文でした。パーパスが当たり前になっているからこそ、「パーパスのパーパス」ともいうべき課題提起は日常に潜むバイアスを打ち破る新たな視点となり、その斬新さが多くの審査員の共感を呼びました。また日本でパーパスが機能しにくい要因として言語的不明瞭さに着目した点も新鮮であり、社員のモチベーションに応じた実用的な解決策まで提示している点もお見事でした。

マッキャンエリクソン 吉開陽

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