第53回 懸賞論文 受賞者 曽我 大晴氏

第53回懸賞論文 新人部門

「私の言いたいこと」(テーマ自由)

①曽我大晴

曽我 大晴

博報堂

第一BXマーケティング局
プランニング四部 マーケティングプラナー

『プランナーとネガティヴ・ケイパビリティ
~考える仕事に必要な「わからない」状態に耐える力~

プロフィール

1999年神奈川県生まれ。2023年慶應義塾大学商学部卒業/同大学メディア・コミュニケーション研究所修了。
同年、㈱博報堂に入社。自動車メーカー、消費財など様々な分野のブランディング/マーケティング業務に従事。

受賞コメント

この度は、栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。
自分自身の迷いとも向き合いつつ、ひとりのマーケターとして大切にしたい姿勢について考えてみました。まだキャリアは始まったばかりですが、ここで言葉にしたことを羅針盤としながら、”強さ”と”優しさ”を持って生活者の気持ちに向き合い続けたいと思います。
最後に、日々あたたかくご指導いただいている皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。

審査員からのコメント

「考える仕事」に就いた筆者の、心理学の「ネガティヴ・ケイパビリティ」という概念をプランナーとして考える力にするという発想力が素晴らしい。川喜田次郎やジェームス・W・ヤングらの提言を整理するとともに、筆者ならではの視点でプランナーとしての取り組み方を提案してくれた点を評価したい。タイパやAIなど効率が語られる現代において、どこかで蔑ろにしていた大切な「考えること」の重要性を我々に気づかせてくれた。

クオラス 中原敬介

「正解中毒」から脱し、答えのない問いに対峙し考えを巡らせ続け」るという問題設定がよい。答えのない状態で耐え考え抜く力―ネガティブ・ケイパビリティとは何かを先人の論から説明し、その実践に向けての方法論を簡潔に整理・考察している。これからプランナーとして生きる構えと覚悟を宣言し、清廉で読みやすく好ましい文章だ。

大広 片倉淳子

月並みな言い方であるが「検索すれば答えがすぐ手に入る」時代において、「わからないこと」に正面から取り組んだ作品で、考える勇気の大切さを思い起こさせてくれました。
川喜田二郎氏やジェームス・W・ヤング氏などの著作を引用し、考えることの本質的な意義について考察されている点も評価されます。
何よりも、これからプランナーとして成長していくスタートにあたって、「強い」プランナーという目標を表明されている点に好感を感じます。

東急エージェンシー 小方靖

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