第53回 懸賞論文 受賞者 向井 俊介氏

第53回懸賞論文 一般部門

第2テーマ:広告プランニング

①向井俊介_

向井 俊介

日本経済広告社

CPD局 2部1ルーム プランナー

『生活者2.0~社会課題解決は、みんなでやろう~

プロフィール

2021年、㈱日本経済広告社に入社。コミュニケーションプランニングを担当するIMCP局を経て、現在は戦略とクリエーティブが一体となった提案をおこなうCPD局に所属。
第52回懸賞論文「私の言いたいこと」新人部門入選。第61回宣伝会議賞ファイナリスト、協賛企業賞受賞。

受賞コメント

この度は一般部門での入選、大変光栄に存じます。昨年の新人部門入選後に考えたことを今年も論文として書くことができ、それをご評価いただけたことを誠に嬉しく思います。実はこの論文を書いた後に、Z世代の本質を掘り下げた書籍を読んだり、Xで異国の戦争の惨状の一端を見たり、コピーライター養成講座でDEIに関する講義を受けたりしているうちに、まだまだ書き直すところがあるなと痛感していたところでした。考えを深めるきっかけを下さり、ありがとうございました。

審査員からのコメント

「社会課題の解決」が我々のミッションに加わって久しい。実際に広告キャンペーンが社会課題の解決に向かう世論形成に寄与した事例も目にする。しかし一方で「私たちはもっと本質的な社会課題を解決したいのだ!」という焦燥を感じる広告人も多いのではないだろうか。本作品は、SNSを通じた①発信②連帯③推進によって社会を変えうる力を持った人々を「生活者2.0」と位置づけ彼らとの共闘を呼びかける。もっと生活者を信じ、彼らに語りかけることを考えなければならない時代にあることを改めて確信した。

朝日広告社 大城勝浩

筆者の主張する「生活者2.0」出現の妥当性をカタリストスキームとして非常にわかりやすく解説している。その生活者2.0と、いま広告業界が直面している問題、つまりどのように社会課題に対峙していくべきか、に対するひとつの解として独自の論を展開されている。終盤には突飛とも思えるアイデアを展開されているが、読み進めるうちに納得性の高い提言だと気づかされる。読み手に多くの気づきを与えてくれる作品であった。

オリコム 水科宗作

筆者はSNSという「発信」の進化が生活者に「連帯」を促した背景に、日本人独特の個人主義に関する価値観を見出した。さらにその先に、社会課題解決に立ち向かう「推進」力をもつ「生活者2.0」に希望を見出し、彼らとの協業でウェルビーイングの実現に向かうポジティブな社会像を描いている。社会課題先進国である日本からこそ、生活者発で世の中を動かすムーブメントを支援していこうという意志に共感を覚えた。

大広 片倉淳子

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