社会の存立危機から脱するために個人の自由意志、主体性が発揮されるような「インクレディブルパワー」を引き出すことが新しい広告の使命と筆者は主張する。そのために、堂々と「きれいごと」=パーパスを追及すること/しかも協力し合ってそれを実現する熱源に広告がなるという力強い宣言だ。科学用語のメタファーを効果的に使い、読み手を引き込み鼓舞する文章のうまさがある。昨年の金賞受賞者でもある筆者は、生活者が主体的に社会を好転させる力を持つことを信じ、ここに広告がポジティブに役立てる視点を力強く提供している。広告業界人として勇気づけられる論文。