第７テーマ その他（第１～６テーマにあたらないもの）
受賞コメント
混迷を極める時代に「主体的に生きる」ための道標を手に入れること自体が、消費活動の主目的へとなりつつあります。日々の業務においても、広告・マーケティングの潮目の変化を目の当たりにする中で、その本質を明らかにすべく、哲学的テーマと「顧客体験」とを繋げる探求を試みました。しかし、ここで思考を止めることなく、引き続き、自身のテー マとして向き合いながら、今後の仕事や人生の実践に還元していきたいと思います。
審査員からのコメント
コロナ、タロット占い、D2Cという、一見つながりのなさそうなものを独自の視点でまとめ上げています。現在のマーケティングを「共感」の量産、消費者のコントロールと定義し、これからは生活者と伴走するという将来像も描いており、事例・引用の使い方も含めてとても読みやすく共感できました。
クオラス 長谷川敦
「コロナ後のマーケティング」について、わずかな変化の兆候を丁寧にとらえ、頭の中で熟成させ「次の像」を描出しようとしている。それは、レコード盤の上のわずかな凸凹を繊細な針でとらえ、得られた電気の振動を豊かな音の響きに育て届けてくれるアナログアンプのようだ。少々思弁的、それもむしろ大いに結構。非常に丁寧に書かれているから、多くの審査員の評価を集めたのだと思います。受賞おめでとうございます。
ジェイアール東日本企画 鈴木良平
受賞おめでとうございます。コロナ禍に「過剰共感」「共感のインフレ」がおき、「主体的な思考」が奪われ、「欲求」すら自覚できなくなったのは、我々の責任でもあります。これらの気づきは「不安」の結果。人は不安な時、未来地図を手に入れたく占いにいくことや、タロットはカードの意味を繋ぎ文脈を見出しストーリーを紡ぐことを「主体への寄り添い」と捉え、その寄り添いによるジャーニーガイドが、顧客体験を超え「自分の生を主体的に生きる」糧になるというのは、今すぐ問うべき課題だと思いました。
大広 今井麻恵