FRESH EYE

広告業界や広告、コミュニケーションについてJAAA 会員社の若手は
どう感じているのか?
JAAA REPORTS で好評のコラムを、サイトでも月イチ更新でお届けしています!

株式会社アイプラネット
コミュニケーションプランニング局
プランニング第1部 プランナー

山出 貴大

「提案する人も、受け取り手のひとり」

 

プランニングを行う部署に配置されて約2年、提案書を書くたび自分の思う理想的な手法だけで企画が構成されている訳でないことに気づかされる。広告会社の一員として良い企画を模索する自分と、自分で考えた企画さえも煩わしく思う素人としての自分との自己矛盾にいつも思い悩んでいる。

 

エレベーターやトイレの中にだって広告枠が存在する世の中にあって、広告と距離を置ける場所を探すことは至難の業だ。実際に私も私物のスマートフォンにはアドブロックのアプリを入れて使っているし、好きな番組はほとんど録画か有料のストリーミングサービスを使って視聴している。

 

広告会社が提案するコミュニケーションはときに受け手にとっては許可なく、突然そこに現れるように見える。例えばテレビは番組を見たいのであってCMを見たいわけではないし、駅や電車内の広告だってあくまでも移動する間の風景の一部に過ぎない。利用者の多い情報サイトやアプリだって、記事や動画を見るために仕方なく広告枠に接触している。

 

適切ではない文脈やシチュエーションでは、どれだけメッセージが適切であっても受け入れられない。伝えたいメッセージが届く前に不快感を与える存在として目を背けられてしまうこともしばしばある。

 

そうした状況にあって、私は広告を提案する側に立っている。

 

コミュニケーションを通じて企業活動を支援し続けるためには、誠実に企画立案をすることで社会に受け入れてもらう努力をしなければいけない。報告書上の見栄えが良いからと、クライアント企業のメリットになりづらい不誠実な手法を取ることや、企画を目にする人にとってなんの利益にもならないメッセージが出来上がってしまうことはどうしても避けたい。

 

考えるべきはどれだけその商品やクライアントの業績が良くなったかはもちろん、不快感を与えないコミュニケーションを作る意識や提案する手法に対して高いリテラシーを持つことだと思う。また、嫌がられることを加味した上で自分勝手にメッセージを押し付けるような手法は淘汰されなければならない。それらは広告主にとってもリスクが大きいため、広告会社としても提案すべきではない。

 

大切なことは人間社会と企業活動との共生を目指すということであり、嫌がられかねない手法からの脱却だ。仕組みの穴を探すのではなく、企画をみた人や、クライアント企業に対して嘘をつかないコミュニケーションが何かを自己批判的に問い続け、業界の内部から意識を変えていくことが必要なのだと思う。

若手向けセミナーinformation

若手に向けた広告基礎講義やワークショップの案内、若手を講師としたセミナー情報を掲載

懸賞論文

26歳までの若手が応募する「新人部門」は若手ならではの視点が詰まってます!

若手大賞

応募者も審査員も若手のみ!若手の若手による若手のための広告賞

SNSアカウント

JAAAでは、公式アカウントの他、懸賞論文、若手大賞のアカウントもご用意しています。

ぜひフォローよろしくお願いいたします。

JAAA SNS公式アカウント

若手大賞アカウント

(秋季限定)

懸賞論文アカウント

(6月限定)