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株式会社 クオラス
営業本部第5営業局営業2部
Account Executive

石川 祐輝

「“感覚を言語化する” ~Z世代マーケティングの一考察~」

 

「最近、彼氏の○○くんと上手くいってなくて…」と涙ながらに恋愛相談をする10代後半と思しきインフルエンサー。真摯に耳を傾ける大物女優。これは、先日私が何気なく観たTV番組のワンシーンである。若年層を繋ぎ止めようと、地上波が“SNSの延長”になる場面が増えた。それが良い悪いという話ではなく、Z世代の奪い合いになっているこの時代において、彼らが驚異的な影響力を持っていることを色濃く映しているように感じた。私が新卒入社したのは約3年前。入社以来、複数の業界でZ世代をターゲットにした商材を担当してきたが、ATLからBTLに至るまでの全ての領域において彼らを理解するのは、なかなか一筋縄ではいかない。

 

ここで1つ、本記事を読んでいただいている皆様に問いを投げかけたい。あるプロモーションで“Z世代攻略”を掲げたとき、企画段階から世に出るまでに一体何がハードルとなり得るだろうか? 今回は私の経験も踏まえ、Z世代マーケティングへのアプローチの違いから大きく2つの組に分けてこの問いについて考えたい。Z世代のことを「①頭で理解する層」と「②感覚的に理解できる層」である。
「①頭で理解する層」は、Z世代から年代が離れるほど増えていく。生まれ育ちの周辺環境が根本から違うため、知識として得ないと理解できないのも不思議なことではない。反対に、まだ経験の浅い若手は「②感覚的に理解できる層」に当てはまる。Z世代攻略のキーマンという意味では、この層の存在は欠かすことができない。というのも、自らをターゲットと置き換えられることが、Z世代攻略において一番の武器になるからだ。反面、その感覚を表現する力が未成熟という側面もある。

 

元の問いに戻すと、前者にとっては「Z世代を体得すること」が、後者にとっては「感覚を言語化すること」がハードルになっていることが見えてきたわけだが、実はこの“感覚を言語化すること”こそが、Z世代攻略において広告会社が行うべき唯一のことであると私は考えている。なぜなら、それは嚙み砕くと「Z世代が実際に動くイメージ(感覚)」を「クライアントが投資できる形に変換(言語化)すること」になるからだ。この2つが両立しない限り、企画がどこかで頓挫するか、世に出ても期待値を下回る確率がかなり高くなる。また、「言語化」と一口に言っても、アウトプットの形は言葉だけではない。むしろ、えも言われぬ圧倒的なクリエイティビティに人は動くというのも皆様にとっては釈迦に説法だろう。だからこそ、Z世代の感覚を持つ若手が広く深く本当の意味でよく勉強をし、言語化の過程で先輩方の経験をお借りすること。それが、クライアントに貢献するために若い感覚を私物化しないチームのあるべき姿だと、私は思う。

 

さて、このような一考察がすぐに古くなってしまうこともまた、Z世代マーケティングに携わる面白さのひとつだ。声を大にして、明日も真摯にZ世代と向き合うことをここに誓う。

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