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株式会社 朝日広告社
ブランドマーケティングプロデュース本部
デジタル&マーケティングソリューション局
デジタルアカウント部

西村 萌

「誰かをキラキラさせること」

大学生の時、まだ広告のことを何も知らず、広告業界にも興味を持っていなかった頃、私は広告がとても好きだった。漫画の名言集を読み漁っていた流れでキャッチコピー集を手に取るようになり、こんなに心に響くだけでもすごいのにさらに商品の宣伝までできるなんてと広告に対してとてもキラキラしたものを感じた。毎日読んでいた新聞で気に入った広告を切り取り保管するのも日常的なことだったし、大好きなソーシャルゲームの広告が東京の駅をジャックした際には、友人と上京し、駅構内に貼られた広告40枚以上をすべて探したりもした。

 

そんなふうに、広告へのポジティブな思いだけを抱いて広告業界に入った私がまず知ったのは、いかに広告が嫌われているかということだった。仕事の中でも、できるだけ広告色を消すこと、広告ではなく生の声を生むプロモーションを組むことに苦心する場面も多く、広告であることは必ずしも喜ばれるわけでない、むしろネガティブな要素になりうることに驚きとショックを感じた。

 

そんな折に、就活市場における広告業界人気の斜陽化の話を聞いた。就活生にとって、広告業界の魅力がだんだんと低下してきているらしい。この話を聞いたときにまず感じたのが、もしかしたら広告自体が嫌われていることにもその一因があるのかもしれないということだった。広告自体が嫌われていたら、その嫌いなものを作ることを仕事にしたいと思う若者が減ることも納得ができる。

 

ただ、やはり私は広告が好きで広告業界に入ったので、広告が嫌われ、業界としての人気も落ち目になっている現状に、どうしても寂しさを覚えてしまう。嫌われないようにする方法をあれこれ考えてはみたものの、そんな一発逆転の方法が簡単に見つかればすでに誰かが実践しているだろうし、自分一人にひっくり返す力があるとも思えない。そんな今の私にできる一番簡単な、かつとても大事なことといえば、少しでも大学生の時の自分のように誰かをキラキラさせる広告を世に送り出せるよう、思考を止めないことである。社会人になり、現実を知ってもなお広告業界で働いている私の原点は、自分がメインで担当した仕事が世に出た際に、「この広告考えた人わかってる、ありがとう」、という口コミを見かけたことにある。

 

そうやって誰かの心にひとつでもキラキラした広告体験を増やしていけるよう、私は今日も全力で目の前の仕事に取り組んでいく。

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