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Wunderman Thompson Tokyo合同会社
Brand & Innovation Team
Account Executive

野村 結

「トランスペアレンシーと信頼関係」

 

2021年現在、長く続くウイルスとの闘いの中で、あらゆるフェイクニュースが流れ込み、センセーショナルな言葉が飛び交う日々に多くの生活者は疲弊している。さらには政治における不正、不透明なお金の流れに愛想をつかしている。その状況下で、私の友人や知人たちから、テレビを見ることをやめ、SNSから距離を置き、メディアへの摂取量を意図的に減らしているということを聞くことが多くなった。

 

情報を摂取することにより敏感になった生活者は、どのような情報を求めるのだろうか。それは、「トランスペアレンシー」が徹底された情報であると私は考える。さらに、生活者はメディアからの情報だけではなく、企業やブランドに対してもそれらを求めているのではないだろうか。

 

世界の国々ではすでに、ブランドと生活者の信頼関係におけるトランスペアレンシーの重要性について語られ、多くのブランドがあらゆる情報を開示することに努めている。
日本ではどうだろうか。生地の原料から店頭に並ぶまでのすべての工程を可視化しているアパレルブランドや、広告費など見えない部分に費用をかけず価格を抑えている、コストの可視化を謳う美容クリニック、などビジネスにおけるトランスペアレンシーを主張するブランドを目にするようになった(逆に、アメリカではトランスペアレンシーを謳うブランドで働く人の内情の暴露により、築き上げた信頼を一瞬にして失ったブランドもある)。

 

生活者がトランスペアレントであることを求め、企業やブランドがトランスペアレントであろうとするとき、広告業界はどうあるべきなのだろうか。
広告主に対して、生活者に対して、という2つの観点で考えてみる。

 

まず広告主に対しては、「信頼関係」を深めていくためにも、その広告に誰が携わり、どういう人たちがどういう思いで作ってきたのか、ということについて明らかにすることで、広告会社自体の考え方やリソースを明確にすることができる。従来、広告は作り手の情報を対外的に開示してこなかったが、その情報も世の中に開示することで、広告会社としての信頼を築くことが可能なのではないだろうか。

 

次に生活者に対しては、過剰で扇動的な表現ではなく、ありのままの姿を表現することが重要だと考える。「理想」に近づける表現ではなく、「真実」を伝える表現に磨きをかける必要がある。ステルスマーケティングになる表現や、過剰な美に対する扇動など近年多くのブランドが炎上し、信頼を失っている。広告業界として、このような表現をしない、させないということを徹底していくことが世の中の情報をより信頼できるものにする近道であると考える。

 

胸を張って自分たちのトランスペアレンシーを証明できるような仕事を重ね、よりトランスペアレントで信頼できる業界にしていかなければならないと思う。

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