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博報堂DYメディアパートナーズ
メディアビジネス基盤開発局
データテクノロジー&システム開発部

小山田 圭佑

「データサイエンティストとして総合広告会社で活躍するために」

 

データサイエンティストとして、広告会社で働き始めて3年目となった今、データサイエンティストが発揮すべき能力として重要ではないかと思い始めたことがある。それは、「問題を設計する力」である。私が思う「問題を設計する力」とは、抽象的なビジネス課題をデータサイエンス(以下、DS)の問題として定義する力をさす。

 

もちろん、この能力は業界を限定することなく重要であると思うが、私は広告業界では特に求められていると考える。自社事業を持ち、そのデータが蓄積されるIT企業等とは異なり、広告会社は、クライアントが何かに使えるだろうと思って貯めたデータを取り扱ったり、旧来からの慣習で機械的に処理しにくい形式のデータをメディアとやりとりしたりといったケースが多い。つまり、AI技術の導入に際して超えねばならないハードルが多いように思える。また、他業界と比較してDS人材が少ない広告会社において、誰かが綺麗に設計してくれた問題/データの枠組みの中で、予測モデルの精度追求部分にのみ携われば良いケースは非常に少ない。よって、抽象的なビジネス課題および複雑に絡まった状況に対して、DS的に短/長期で解決可能な問題を定義する部分において高いパフォーマンスを発揮することが、広告会社のデータサイエンティストには必要なのではないかと思うのだ。

 

そしてこの能力はシステム開発だけではなく、AI×コンテンツ開発やAI×クリエイティブといった領域においても、必要なスキルだと思う。こういった領域では「DSが活きる面白い方向性を探る企画力」として、言い換えても良いかもしれない。

 

では、「問題を設計する力」とは、どう身につければいいのか。私は、この能力を直接的に伸ばすことは非効率的な気がする。研究やDS系のコンペ領域において、日々様々な有益な手法が明らかになっているが、それらを活用する経験を積むと、1つの課題に対してとりうるアプローチが複数あることに気づけるケースがある。こういった経験を積むことで、汎用的な問題設計能力が身に付くのではないか。つまり、扱える武器を増やすことで、状況に応じた戦略の幅が広がり洗練されるということだ。この意味で、Kaggle等DS系のコンペが徐々に認知されつつあるが、そこで経験を積むことは効果的だと思っている。

 

思い返せば、学生の頃から変わらず、尊敬できる人は皆、自分の手でモノを作ることもでき、問題の核心を突き視界をクリアにしてくれた人であった気がする。自分の手を動かせるという土台の上になりたつ、問題設計能力(および、ある種の企画力)を突き詰めていきたい。

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