「広告業界の未来のために、JAAAは広告の価値と魅力を創造し向上させるエンジンとなる」
2020年初頭からのコロナ禍も、2023年5月には感染症法上の分類が第5類へ移行され、ようやく社会経済活動・社会生活が活発に動きだし、失われた30年とも揶揄されていた日本経済も復活の兆しが見えてきた。一方で、コロナ禍で加速したいわゆる「NEW NORMAL」な生活スタイルの浸透は、生活者に大きな意識変容をもたらし、私たち広告業界の意識改革・ビジネストランスフォーメーションは待ったなしの状況を迎えている。
広告業界に対する逆風は、周辺業界での人権侵害問題などコンプライアンス違反・ガバナンス不足等の影響もあり終息が見えにくい状況が続いており、人材確保の観点も含め、あらためてコンプライアンスの徹底、社会課題へ真摯に向き合う姿勢とその役割を果たすことが求められていると痛感している。
行政サイドからも、長く続いた日本経済の低迷から脱し、成長軌道を確たるものとするための矢継ぎ早の要請や、急拡大しているデジタル広告領域における規制面での協力要請が相次ぎ、社会生活・広告ビジネス双方に大きな影響をもたらす変化の1年となる見込みである。
一方で、長引く国際紛争や高まる地政学的リスク、エネルギー・原材料コスト高騰からの物価高や不安定な為替の影響が、私たち生活者の不安を加速させていることに加え、広告主も同様に複雑に絡み合う環境下で変数の多い企業活動を余儀なくされ、あらためて、私たち広告業界が貢献すべき活動は非常に大きく、また期待され果たすべき社会的責任と使命は大変重いと考えている。
広告関係各団体・協会とのいっそうの連携強化を通して、「広告の価値と魅力」を高めていく。
<Action Plan>
1.広告の拡張・新ビジネス創造への継続的なチャレンジ
DXはあらゆる広告ビジネスに影響を与え、従来のビジネスモデルも大きく変容しつつあり、広告そのものの定義・領域も拡張している。私たち広告業界は「クリエイティビティ」を持って、常に新たな価値の創造を追求している。従来の垣根にとらわれずに、新しい価値創造のアイデア・企画を提供していくチャレンジに終わりはない。会員社が協調し推進するポリシーや指針、共通の指標の策定などを通して、広告業界全体の「価値と魅力」の創造・向上を加速する。
2.広告および広告業界の信頼と魅力回復にむけたガバナンス強化
昨今の広告および広告業界への逆風は、多様で柔軟な有望人材確保はじめ様々な面で私たちの活動にネガティブな影響がでている。広告の持つ優れた素晴らしい機能・意義・役割をあらためて社会やそこで暮らす生活者に再評価・再認識してもらう活動とその積極的な発信に努めたい。
コンプライアンス遵守は当然のこと、イノベーションを生み出す土壌となるDE&Iの推進や日々進化し拡張するテクノロジーへの対応ポリシーの策定、広告業界含めた日本の産業経済への貢献など、JAAAとして積極的に取り組み・発信していく。
3.社会課題への取り組み強化と発信
2016年にスタートした「SDGs」は、私たち地球上に生きるすべてが協力し、2030年までに解決せねばならない17の目標を共有したもので、その多くは現時点でもまだまだ達成までの道のりは厳しいものがある。DE&Iの推進活動や日本アドバタイザーズ協会・日本民間放送連盟と連携して推進する「字幕付きCM普及推進協議会」活動、脱炭素化の流れが私たち広告業界にもたらす影響や生成AIに代表されるAIテクノロジーがもたらすプラス面・マイナス面など、広告業界として向き合い協調して取り組むべき社会課題は山積している。これら、社会課題に応える広告業界の活動をさらに加速させていく。